著者
磯野 英治 近藤 佐知彦 宮原 啓造 イソノ ヒデハル コンドウ サチヒコ ミヤハラ ケイゾウ Isono Hideharu Kondo Sachihiko Miyahara Keizo
出版者
大阪大学国際教育交流センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 : 大阪大学国際教育交流センター研究論集 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.19-24, 2016-03-31

本稿では、国際教育交流センターの短期プログラム開発研究チームと日本語教育研究チームが協働のもと行っている短期日本語教育プログラムである「J‒ShIP」および「超短期プログラム」の2015年度の実施状況を報告した。その中で、新たなプログラムの開発の背景や短期日本語教育プログラムの意義と可能性を併せて論じている。
著者
宮原 啓造 Miyahara Keizo ミヤハラ ケイゾウ
出版者
大阪大学国際教育交流センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 : 大阪大学国際教育交流センター研究論集 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
no.19, pp.57-64, 2015

国際教育交流の場に適した人名の表記法について考察する。世界各国には様々な人名の構成が存在するが、その正確な表記と、それを通じた個人の明確な弁別は、留学や国際共同研究などの教育交流を含め、あらゆる分野における社会活動にとって重要な要素である。本稿では、まず特徴的な人名構成の例を取り上げて概要を俯瞰すると共に、その複雑性・多様性を再確認する。次に、その分析と考察に基づいて、国際教育交流に有用と考えられるいくつかの人名表記手法を提案する。
著者
義永 美央子 潘 英峰 Yoshinaga Mioko Pan Yingfeng ヨシナガ ミオコ
出版者
大阪大学国際教育交流センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 : 大阪大学国際教育交流センター研究論集 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
no.23, pp.53-64, 2019-03-31

本稿では、附属図書館ラーニングサポーターの活動の現状およびラーニングサポーター自身の学修支援を通じた学びを理解することを目的として実施したアンケート調査およびインタビュー調査の結果を報告する。調査の結果、ラーニングサポーターは主にスキルや態度面での自己の変化や成長、具体的には、「コミュニケーション能力の向上」「学習・研究に対する姿勢の変化」「積極性・主体性の向上」「LS としての自覚の向上」を認識していた。また留学生に対する支援を通じて、「コミュニケーション能力の向上」「視野や態度の変化」「日本語に対する理解の深まり」「学習意欲の向上」を感じていることが明らかになった。
著者
西口 光一 Nishiguchi Koichi ニシグチ コウイチ
出版者
大阪大学国際教育交流センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 : 大阪大学国際教育交流センター研究論集 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.1-11, 2018-03-31

Based on the anthropological necessity entailing three moments of dialectics of the society, i.e. externalization, objectivation and internalization, the sociology of knowledge advocated by Berger and Luckmann (1966) and Berger (1967) offers language educators with important insights on humanity and its verbal behavior. The paper begins with the brief explication of the sociology of knowledge, and proceeds to the discussions on humanity and verbal behavior within the sociological theory. It also touches on the basic phenomenological perspective of the theory, which places language at the center of our world-building activities. While pointing out the three dimentional nature of utterance including situated action, situation-transcending historical aspect and aspect of code system, the paper concludes that language educators need to pay attention to the nature of language discussed in this paper in planning, designing and implementing language teaching.社会の弁証法の3つの契機である外在化と客体化と内在化を含む人間学的必然性を背景として、Berger and Luckmann(1966)とBerger(1967)により提唱された知識社会学は、人間観と言語観に関して言語教育者に重要な洞察を与えてくれる。本稿は、知識社会学とは何かという議論から始まり、知識社会学における人間観と言語観の議論に進む。さらに、知識社会学の現象学的な観点にも言及する。現象学的な観点では、言語がわたしたちの世界構築の営みの中心に置かれる。最後に、発話は状況的行為と超状況的な歴史的側面とコードのシステムとしての側面という3つの側面を有することを指摘し、教育や授業の企画・計画・実践において第二言語教育者は、発話のこのような成り立ちと特性を十分に考慮しなければならないと結論づける。
著者
Castro Juan Jose 金 雪梅
出版者
大阪大学国際教育交流センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 : 大阪大学国際教育交流センター研究論集 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.73-77, 2013-03-31

外国人留学生の視点を取り入れながら今後どのように就職支援を進めていくことが望ましいかを2年間の就職対策講座の経験から報告としてまとめてみた。 日本式就職活動に対する不安や迷いを留学生に特化した形の支援で補い、日本人学生と同等の就職活動につなげてあげることが重要である。
著者
魚崎 典子 ウオサキ ノリコ Uosaki Noriko
出版者
大阪大学国際教育交流センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 : 大阪大学国際教育交流センター研究論集 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
no.18, pp.11-21, 2014

近年、「留学」の在留資格を有する外国人(以下「留学生」と称する)の日本企業への就職希望率は上昇しているにも関わらず、実際の就職率は低迷している。その一因として、日本独特の就職制度が考えられる。日本では一般的に就職活動は卒業予定年度の前年度(B3,Ml)から始める慣行がある。その慣行を知らずに就職活動を開始する時期が遅れるケースが複数報告されている。手遅れになる前に留学生に情報を伝える有効な対策が早急に望まれている。本調査報告ではまず、日本独特の就職制度とそれを支える就職支援産業に触れ、諸外国の就活事情および、留学生がどのように日本の就職活動に関わる情報を得たかについてアンケート調査を実施した結果を報告する。そして留学生の日本での就職を困難にさせている要因を明確化した上で、有効な情報伝達手段を提案する。
著者
魚崎 典子 ウオサキ ノリコ Uosaki Noriko
出版者
大阪大学国際教育交流センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 : 大阪大学国際教育交流センター研究論集 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.11-21, 2014-03-31

近年、「留学」の在留資格を有する外国人(以下「留学生」と称する)の日本企業への就職希望率は上昇しているにも関わらず、実際の就職率は低迷している。その一因として、日本独特の就職制度が考えられる。日本では一般的に就職活動は卒業予定年度の前年度(B3,Ml)から始める慣行がある。その慣行を知らずに就職活動を開始する時期が遅れるケースが複数報告されている。手遅れになる前に留学生に情報を伝える有効な対策が早急に望まれている。本調査報告ではまず、日本独特の就職制度とそれを支える就職支援産業に触れ、諸外国の就活事情および、留学生がどのように日本の就職活動に関わる情報を得たかについてアンケート調査を実施した結果を報告する。そして留学生の日本での就職を困難にさせている要因を明確化した上で、有効な情報伝達手段を提案する。
著者
中橋 真穂 義永 美央子 ナカハシ マホ ヨシナガ ミオコ Nakahashi Maho Yoshinaga Mioko
出版者
大阪大学国際教育交流センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 : 大阪大学国際教育交流センター研究論集 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.41-50, 2012-03-31

グローバル化が進む中、異文化理解教育が益々重要になってきている。そこで、世界有数の多文化国家であるアメリカの中学校で異文化理解教育に関する調査を実施した。その結果、中学校での異文化理解教育に関するカリキュラムや指導方法、教師の意識、また、中学生が実生活で様々な異文化に接触している実態と、それらに対する寛容な態度が明らかになった。
著者
西口 光一 ニシグチ コウイチ Nishiguchi Koichi
出版者
大阪大学国際教育交流センター
雑誌
多文化社会と留学生交流 : 大阪大学国際教育交流センター研究論集 (ISSN:13428128)
巻号頁・発行日
no.18, pp.41-54, 2014

本稿では引用等を手がかりとし文献を辿って、ヴィゴツキーとパフチンがマルクスから何を引き継ぎそれをどう発展させたかを検討した。その結果、ヴィゴツキーとパフチンは共にマルクスの人間観や意識観から意識の記号による被媒介性という見解を導いていること、そしてヴィゴツキーは一貫して発達研究に関心を寄せていることが明らかになった。それに対し、パフチンは意識の記号による被媒介性の見解をさらに推し進めて、イデオロギーと心理の関係、心理と記号の関係、言語活動における心理過程と記号の聞の往還運動、そして対話原理へとさせていることが明らかになった。パフチンのそのような議論は、人と人の接触・交流にこれまでにない新たな視点を提供するものとして、第二言語の習得と教育の研究の立場から大いに注目される。